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道は違えど

更新日:11 時間前

KYOTOGRAPHIEの会場をまわるには自転車が便利なのですが、結局は駐輪場を探したりして歩くことも多くなります。

当然お腹も空くので、GOROさんと二人で移動しながら食事処を探すことにしました。

とはいえ、「値段」と「食べたいもの」のバランスが取れるお店というのは、なかなか難しいものです。

そうこうしているうちに、次の目的地である “SAMURAI FOTO” の会場近くまで来てしまいました。


商店街の中にあったのは、蕎麦屋、イタリアン、カツの三択。雨で体が冷えていたこともあり、自然と蕎麦屋に足が向きました。

注文したのは、ミニ海老天の入った温かい蕎麦と、小さな明太子がのったミニ山かけ丼のセット。GOROさんと「可もなく不可もなく」と意見が一致した、記憶に残らない味に二人で苦笑い。


さて、SAMURAI FOTOをご存じない方のために少しご紹介を。

このグループは、海外で展覧会を開催したり、メンバーの作品が美術館に収蔵されたりと、精力的に活動している作家集団です。登るルートは違えど、目指している場所は私と同じ──そんな気がしています。

今回のKG+では、会場が京都中心部にある元毎日新聞京都支局、同時代ギャラリー。なかなかの好立地です。

しかもキュレーターには、サンディエゴ写真美術館の名誉館長、デボラ・クロチコさんを迎えての展覧会。

これは期待が高まります。こうした国際的なネットワークを築くこと自体、そう簡単なことではありません。

今回のキュレーションが、今後さらに強いパイプとなっていくことは間違いないでしょう。


さて、肝心の作品について。

メンバーそれぞれに個性があり、ステートメントも明確で、伝えたいことがしっかり伝わってきます。プリントも、シャドーからハイライトまでしっかりディテールを残した、美しい仕上がりばかり。

最初にお話を伺ったのは千代田さん。亡くなられたお母様への思いを綴った作品で、説明を聞くと本当によく構成された作品であることがわかり、深く感心しました。


村田さんの作品は、日本画を彷彿とさせる作風。

まるで金箔や銀箔を使っているようなきらめきに目を奪われました。

聞けば、プリント前に和紙に金粉や銀粉を塗っているのだそうです。

今度、もっと詳しく聞いてみたいと思っています。


会長の蓮見さんは、自然エネルギーという旗印のもと、山林を伐採して設置されたソーラーパネル群をドローンで撮影した作品を出展されていました。

それは、「自然破壊をする自然エネルギー」という矛盾を問いかける告発的な視点。

この作品を広く知ってもらうために、東京での個展開催を計画し、クラウドファンディングも準備していたとのこと。

ところが、いざ公開という段階になって突然、担当者から「できなくなった」と告げられたそうです。

理由を尋ねても教えてもらえなかったとか。

この作品の持つ力が、誰かにとって都合が悪かったのでしょうか──そんな想像も巡ります。


私が伺った初日には、デボラさんによるクリティークも行われていましたが、会場が狭くて入れず。夕方にはオープニングパーティーも予定されていたのですが、帰りのバスの時間があったため、泣く泣く辞退することに。

作品、と一言で言っても、そこには私と

はまた違った世界が広がっていて、大きな刺激を受けました。「自分も負けていられない」──そう思いながら、会場を後にしました。


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